関東圏では、医局に属しておられる先生方でも、退局に関しては、
それ程厳しいルールがあるようではありませんが、
関西圏では、まだまだ医局の強いところがある様に感じます。
もちろん、医師としても職業選択の自由の思想が浸透する中で、
上司の先生や教授から退局を拒まれる事は少なくなりましたが、
円満退局を目指すとなると、退局時期については、
なかなか思い通りにならない事が多くあります。

先日、退局を申し出られたある先生は、
「人事から抜けるのは仕方ないが、来年開業をするために退局する先生がおられ、
順番から言うと、抜けるのは2年後にして欲しい。」
と言われたと言う事なのです。

30歳代後半の先生ならそれもまだいいのですが、
40歳後半で、開業を目指されている先生にとって、
2年は非常に長く感じます。
下手をすると、50歳になってからの開業になってしまいます。

その先生は、30代の頃から開業を考えておられたのですが、
頭の中で考えていただけで、日々の忙しさもあって、
特に行動も起こされていなかったのです。
開業場所が決まってなくても、開業するという方向性の宣言は早めにしないといけないと言う事ですね。

やはり、ライフプラン設計の大切さと、開業を目指しているのであれば、
開業に関する本を読んでみたり、開業済の先輩の話を聞いてみるなり、
セミナーに参加するなり、最初の一歩を踏み出す勇気の必要性を強く感じます。

私共も、開業セミナーを行っています。
よくある「開業はバラ色ですよ」という内容ではありません。
良く言われる事ですが、昔と違って、どこで開業しても大成功するものではありません。
人の事、お金の事、集患の事、色々と頭を悩ます問題にぶち当たります。
そんな時、「こんなはずじゃなかった・・・」と言う事にならない様に、
開業のメリットばかりをお話しする訳ではありません。

セミナーが終わってから先生とじっくりお話をさせて頂く様にしているのですが、
独立開業に対して、具体的なプランなしに現状逃避のほんわりした希望を抱かれている場合は、
厳しい現実をお話しして、出来るだけ綿密なプラン設計作りからお手伝いしています。
もちろん、プランが無くても、お金をかければ開業は誰でもできます。
しかし、「開業して良かった」と言って頂くためには、
最初にプラン設計をする事こそが、本当の意味での独立開業への第一歩だと考えています。

shutterstock_6104938