勤務医の先生にとって、一世一代の出来事である「医院開業」ですが、皆さんがどの程度開業資金を貯めておられるのかという事について書かせていただきます。
今まで開業をお手伝いさせていただいた先生のうちで、一番開業資金を貯めておられた先生は、約5,000万円でした。
その先生は、開業を見据えてコツコツ貯めつつ、また遺産相続をされたこともあり、その金額を確保できていました。
逆に、一番少なかった先生は、開業資金「ゼロ」でした。
科目にもよりますが、開業される先生の年齢層で言うと、30代後半から40代前半までが一番多い層です。
その年代になると、勤務医としてもそこそこの給料を取られていて、年俸で言うと1,800万~2,000万前後になるかと思います。
それ位の年俸となると、そこそこの貯蓄があってもおかしくないのですが、ちょうど年齢的に家を買われた直後だったり、お子さんの教育費がかかってきている年代になります。
年俸は一般よりは高くても、学会や研究会の費用は自分持ちだったり、高い医学書を買ったり、何かと必要な費用も多いものです。
そのため、先生方に、「開業資金としてはどの程度貯めておられますか?」とお聞きすると、一番多く聞く返答は、
「え~と、はっきりわからないけど、1,000万位は集められるかもしれない。」と言われます。
要は、預金として1,000万円あるという事ではなく、保険や有価証券など、すぐには換金できないものも含めて1,000万円程度、という事です。
ですので、準備されている開業資金の平均額は、感覚的に言うと、「1,000万円」となります。
ただ、開業に際して、通常の考え方としては、その1,000万円には手を付けることなく、手元にそのまま持ったまま、開業していただくプランを練ります。
つまり、金融機関には開業資金として1,000万円持っているけれど、トータルで6,000万円資金が必要なので、5,000万円貸して欲しいと言う話にします。
ただ、この場合、実際に開業に必要なのは5,000万円なので、虎の子の1,000万円はそのまま手元に残してもらうのです。
開業資金を銀行から借りても、開業日前後にはどんどんお金は出ていく一方です。
どんな先生でも、だんだん心細くなられます。
その為にも、金融機関から借りる際には、なるべく余裕を見て借りて頂く必要があります。
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