先日、お付き合いのある会社さんからのご紹介で、6月の半ばにあるクリニックにお伺いしました。
そちらの院長先生が高齢のせいもあり、急遽体調を崩され、
復帰は望めないという結論になり、閉院を決められたのです。
事務長さんにお話をお聞きしましたところ、6月末には閉院の手続きをし、
8月末までには、テナントを退去するとの事でした。
そのビルは医療ビルで、他にも4診入っています。
そちらのクリニックも地元で非常に支持を受け、
毎日70名の来院患者数は維持されていたのですが、急遽閉院されることとなり、
患者さんやスタッフさんも困惑されているそうでした。
閉院・退去なので、内装工事及び医療機器は全て撤去することになり、
その費用の見積もりを取ったところ、200万円以上かかると言われたそうです。
その解体業者にも早めに発注をかけないと退去時期に間に合わなくなるので、
今週いっぱいで内装を残すかスケルトンに戻すのか決めないといけないと焦っておられました。
クリニックの売買価格は、タイミングがタイミングなので、ゼロでいいとのご意向でした。
また、事務長さんとしても、スタッフを急遽路頭に迷わせることに心を痛めておられました。
早速、会社に戻って候補となり得る先生にご相談をしてみましたが、
1週間足らずで答えを出せる訳もなく、断念と言う事になりました。
閉院される院長先生としては、いつまでもやれると思われていたのかも知れませんが、
急遽健康問題が起き、患者さんやスタッフの後始末も出来ないまま、引退となりました。
患者さんやスタッフさんの事を考えると、体調を崩される前にご相談いただいていたら、と悔やまれます。
後継の医師を見つけていれば、院長先生も安心して患者さんやスタッフも任せられ、
単なる閉院だと解体費用がかかることを考えると、経済面でもプラスマイナス1,000万円以上の違いは出ます。
長年診療を続けられてきた院長先生にとって、自らの引き際の事を検討するのは勇気のいることだと思います。
ただ、ご自身の勤務医・開業医と歩んできた医師としての人生に区切りをつける決意をし、
ハッピーリタイアメントをして第三の人生を楽しもうとお考えの先生方も増えてきていることを実感しています。
診療を続けつつ、まだ引退時期を正式に決めていない段階でも、条件面をある程度固めておけば、いざと言うときにすぐに動けます。
そういった先生方のお役に立てるため、益々情報収集に努力していきたいと思います。